萎縮性胃炎とは?
萎縮性胃炎とは、胃の粘膜が慢性的な炎症によって薄くなり、萎縮してしまう病気です。胃の粘膜は、胃酸を分泌したり、食べ物を消化するのに重要な役割を果たしています。この粘膜が萎縮することで、これらの機能が低下し、様々な症状が現れることがあります。
萎縮性胃炎の原因は?
自己免疫疾患
自己免疫疾患の一種として起こる場合もあります。
その他
加齢、長期的な薬物使用、胃の手術歴など、様々な要因が考えられます。
萎縮性胃炎の危険性は?
萎縮性胃炎は、放置しておくと様々な危険性があります。
萎縮性胃炎の主な危険性
悪性貧血
胃の粘膜が萎縮することで、ビタミンB12の吸収が悪くなり、悪性貧血になることがあります。
その他の合併症
消化不良、食欲不振、下痢など、様々な消化器症状を引き起こす可能性があります。
萎縮性胃炎が胃がんに
つながるメカニズム
1慢性的な炎症
ピロリ菌感染などにより、胃の粘膜に慢性的な炎症が起こります。
2胃粘膜の萎縮
長期的な炎症により、胃の粘膜が薄くなり、萎縮します。
3腸上皮化生
萎縮した胃の粘膜が、腸の粘膜のように変化します。
4がん化
腸上皮化生の一部ががん化し、胃がんが発生します。
萎縮性胃炎の危険性を
低減するために
早期発見・早期治療
胃内視鏡検査(胃カメラ)を定期的に受けることで、早期に萎縮性胃炎を発見し、適切な治療を行うことが重要です。
ピロリ菌の除菌
ピロリ菌感染が原因の場合は、ピロリ菌の除菌治療を行うことで、胃がんのリスクを大幅に下げることができます。
生活習慣の改善
バランスの取れた食事、禁煙、ストレス管理など、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。
まとめ
萎縮性胃炎は、一見すると自覚症状がない場合もありますが、放置しておくと胃がんに進行する可能性がある非常に怖い病気です。定期的な健康診断を受け、少しでも気になることがあれば、早めに医師に相談するようにしましょう。
萎縮性胃炎の診断は?
萎縮性胃炎の診断は、主に以下の方法で行われます。
1. 問診
症状
いつからどのような症状(胃痛、吐き気、嘔吐など)が出始めたか、症状の程度、持続時間などを詳しく聞かれます。
生活習慣
食生活、飲酒習慣、喫煙習慣、ストレス、服用中の薬など、胃に影響を与える可能性のある生活習慣について詳しく聞かれます。
既往歴
過去の病気やアレルギーなど、胃炎の発症に関連する可能性のある既往歴について聞かれます。
2. 検査
血液検査
炎症反応や肝機能などを調べ、他の病気との鑑別を行います。
便潜血反応検査
出血しているかどうかを調べます。
その他
場合によっては、腹部エコー検査やCT検査が行われることもあります。
胃内視鏡検査(胃カメラ)は、萎縮性胃炎の診断において最も重要な検査です。胃カメラで直接胃を観察することで、胃粘膜の萎縮の程度や、胃がんの前段階である腸上皮化生といった病変の有無などを詳しく調べることができます。
診断基準
萎縮性胃炎の明確な診断基準は、症状や検査結果など、患者さんの状態によって異なりますが、一般的には、以下の様な症状や検査結果が認められる場合に、萎縮性胃炎と診断されます。
症状
上腹部痛、吐き気、嘔吐、食欲不振など
胃内視鏡検査
胃粘膜の萎縮、腸上皮化生など
診断の重要性
萎縮性胃炎は、放置しておくと胃がんに進行するリスクが高まります。そのため、早期に診断し、適切な治療を受けることが大切です。
もし、胃の不調が続く場合は、早めに医師に相談しましょう。
萎縮性胃炎の治療は?
萎縮性胃炎の治療は、主な原因であるピロリ菌の有無によって大きく変わってきます。
ピロリ菌感染が原因の場合
ピロリ菌除菌
最も重要な治療法です。抗生物質と胃酸分泌抑制剤を組み合わせて、ピロリ菌を根絶します。ピロリ菌を除菌することで、胃がんのリスクを大幅に下げることができます。
症状緩和
胃酸分泌抑制剤や制酸剤などで、胃の痛みや不快感を和らげます。
自己免疫疾患が原因の場合
薬物療法
ステロイド剤や免疫抑制剤など、原因となる自己免疫疾患に対する治療を行います。
症状緩和
胃酸分泌抑制剤や制酸剤などで、胃の痛みや不快感を和らげます。
その他の原因の場合
原因となる要因の除去
薬物、アルコール、刺激物などを控えるなど、原因となる要因を除去します。
症状緩和
胃酸分泌抑制剤や制酸剤などで、胃の痛みや不快感を和らげます。
定期的な検査
- 萎縮性胃炎は、胃がんに進行する可能性があるため、定期的に胃内視鏡検査(胃カメラ)を受けることが大切です。
- 胃がんの早期発見につながります。
生活習慣の改善
バランスの取れた食事
三食バランスの取れた食事を心がけましょう。
禁煙
喫煙は胃炎を悪化させる可能性があります。
ストレス管理
ストレスを溜めないように心がけましょう。