病気の診断のためには
検査が必要ですか？
検査は、病気の診断・治療・予防のために不可欠な役割を果たします。単なる症状や自覚だけでは判断できないことが多く、正確な診断と適切な治療の選択に欠かせません。以下、検査が必要な理由を説明します。
1. 症状だけでは正確な診断ができない
- 同じ症状でも異なる病気の可能性がある。
例: 「発熱＋咳」
→風邪？肺炎？結核？COVID-19？ → 検査がないと確定できない。
例: 「胸の痛み」
→心筋梗塞？逆流性食道炎？筋肉痛？ → 心電図や血液検査が必要。 - 症状がない場合でも病気が隠れていることがある。
高血圧や糖尿病は初期症状がほとんどないが、検査で早期発見できる。
2. 重大な病気の早期発見・
早期治療のため
- 病気は早期に治療した方が治療効果が高く、予後が良い。
がん: 初期なら手術や放射線治療で完治する可能性が高い。
腎臓病: 早期に発見すれば進行を遅らせることができる。
糖尿病: 進行すると合併症（失明、腎不全、神経障害）を引き起こすため、早期発見が重要。
3. 隠れた病気やリスクを
見つけるため（健康診断・
スクリーニング）
- 自覚症状がない病気を早期に発見できる。
例: 胃がん、肝炎、糖尿病、動脈硬化、骨粗しょう症 など - 家族歴や生活習慣からリスクの高い人は定期的な検査が必要。
例: 大腸がんの家族歴がある人 → 大腸内視鏡検査
例: 喫煙者 → 肺がん検診
4. 適切な治療を決めるため
- 正確な診断がないと、適切な治療ができない。
例: 胃痛がある → 胃炎なのか、胃潰瘍なのか、ピロリ菌感染か？
→ 胃カメラ検査やピロリ菌検査が必要
例: 貧血がある → 鉄分不足？腎臓病？がん？
→ 血液検査や内視鏡検査で原因を特定 - 抗生物質や薬の適切な使用のためにも検査が重要。
例: 細菌感染かウイルス感染かで治療法が異なる。（抗生物質はウイルスには無効）
例: 腎機能が低下している場合、特定の薬を避ける必要がある。
5. 治療の効果を確認するため
- 治療後の経過を確認し、治療がうまくいっているかを判断する。
例: 糖尿病 → HbA1c（血糖の指標）を定期的に測定
例: 高血圧 → 血圧測定や腎機能チェック
例: がん → 腫瘍マーカーや画像検査で再発チェック - 治療を続けるべきか、変更すべきかの判断に役立つ。
6. 感染症の拡大を防ぐため
- COVID-19やインフルエンザなどの感染症では、適切な検査で感染を確認し、拡大を防ぐことができる。
- 結核やB型肝炎、HIVなどの感染症も、早期発見することで周囲への感染リスクを減らせる。
まとめ
- 症状だけでは病気を正確に診断できない。
- 早期発見・早期治療により、治療の成功率を高め、合併症を防ぐ。
- 病気のリスクを評価し、適切な予防策を講じるために必要。
- 治療の効果を確認し、適切な治療を継続・調整するために役立つ。
- 感染症の拡大を防ぐためにも検査が重要。
検査は病気の「確定診断」「予防」「治療判断」に不可欠な手段であり、健康を守るための重要なツールです。