症状から病気を疑う時に
どんな注意が必要ですか?
自分の症状から病気を推測することは、健康への関心を高める点で有意義ですが、誤解や不安を招く可能性もあります。以下の点に注意が必要です。
1. 同じ症状でも異なる疾患の可能性がある

- 例: 「発熱+咳」
→軽い風邪
→インフルエンザ
→肺炎
→COVID-19 など - 例: 「胸の痛み」
→筋肉痛や肋間神経痛
→狭心症や心筋梗塞(緊急対応が必要)
→逆流性食道炎 など - 同じ症状でも原因が異なるため、自己判断だけで病気を特定するのは危険です。
2. インターネットの情報を
鵜呑みにしない

- 検索結果は信頼できる医療機関のサイトを優先する。
(厚生労働省、WHO、医学会の公式サイトなど) - 個人ブログやSNSの情報には誤りが含まれる可能性がある。
- 「最悪のケース」を想像しすぎると不安が増す。
(例:「頭痛」で検索したら脳腫瘍ばかり出てくる → 実際は偏頭痛や緊張型頭痛が多い)
3. 重大な病気を見逃さない
- 「様子見」で済ませず、早めの受診が必要な症状がある。
突然の激しい頭痛 → くも膜下出血の可能性
左胸の圧迫感や痛み → 心筋梗塞の可能性
短時間でも意識を失う → 脳卒中の可能性
血を吐く、黒色便が出る → 消化管出血の可能性 - 軽い症状でも長引く場合は受診が必要。(例:長期間の咳 → 結核、肺がんの可能性)
4. 早合点せず、
医師の診断を受ける

- ネットや自己判断で「◯◯病だ」と決めつけない。
- 「自分は大丈夫」と軽視しすぎるのも危険。
- 症状が改善しない、または悪化する場合は医療機関を受診する。
- 受診時は、症状の経過や他の異常を医師に詳しく伝える。
5. 過度な自己診断は
「不安」や「治療の遅れ」を招く
- 心配しすぎると、実際の症状より強く感じることがある。(「健康不安症」など)
- 逆に、「これは大したことない」と思い込み、適切な診断を受けないと悪化する可能性もある。
- 「〇〇の症状があるから、この薬を使えば治るはず」と、自己判断で市販薬を乱用しない。(例:胃痛=胃薬ではなく、実は胆石の可能性)
まとめ
- 自己判断は参考程度にし、最終的な判断は医師に任せる。
- 信頼できる情報源を活用し、ネット情報を鵜呑みにしない。
- 重大な病気のサインを見逃さず、早めに医療機関を受診する。
- 過度な心配も軽視もせず、バランスの取れた判断を心がける。
健康管理において、正しい知識と冷静な対応が重要です。