患者さんの質問にお答えします。
横浜市金沢区
金沢文庫消化器クリニック
院長 大田 貢由(おおたみつよし)

Q:よくお腹が痛くなるのですが、過敏性腸症候群でしょうか?
A:過敏性腸症候群(IBS)の診断には、ローマ基準(Rome Criteria)と呼ばれる診断基準が使用されます。これは国際的に受け入れられている診断基準であり、主なIBSの症状を定義しています。
ローマ基準によると、IBSの診断には以下の条件が必要です:
最近3ヶ月間、月に4日以上腹痛や腹部不快感が繰り返し起こり、次の項目の2つ以上があること。
- 排便と症状が関連する(排便後に症状が軽快するなど)
- 排便頻度の変化を伴う
- 便性状の変化(便秘や下痢)を伴う
期間としては6ヶ月以上前から症状がある
これらの基準が満たされている場合、IBSの診断が行われる可能性があります。ただし、他の潜在的な病気を除外するために、病歴を詳しく聞き取り、身体検査や必要に応じて検査を行うことが重要です。IBSは他の病気や身体的な問題による症状と類似している場合があるため、正確な診断を得るためには専門医の指導が必要です。